TIG溶接・YAGレーザー溶接で絞り金型が不要に
絞り金型は大量生産においては有効な手段ですが、少量生産には向いていません。大北製作所では、これまで金型による深絞り加工でつくられた製品を、TIG溶接・YAGレーザー溶接で加工することをおすすめしています。
絞り金型製作の費用を浮かし、製品によっては大幅なコスト削減を可能にするTIG溶接・YAGレーザー溶接の概要や、それぞれのメリットをご紹介します。
TIG溶接・YAGレーザー溶接とは
高品質な製品を生産するために、当社では「TIG溶接」と「YAGレーザー溶接」の2種類を採用しています。
TIG溶接
TIG溶接とは、母材と電極の間にアーク(放電現象)を生じさせ、その熱で材料を溶かす溶接法です。タングステン電極を用いるため、アークが安定しており、溶接欠陥があまり生じません。溶接ビード(溶接跡)も滑らかです。
YAGレーザー溶接
YAGレーザー溶接とは、YAG(イットリウム、アルミニウム、ガーネット)結晶によって生じた近赤外光を、レンズによって加工点に集中して照射することで、材料を溶かす溶接法です。
実用化されているレーザー溶接は、気体レーザーである炭酸ガス溶接と、固体レーザーであるYAG溶接の2種類です。固体レーザーは、気体レーザーやTIG溶接に比べると照射域が小さいので、材料に与える影響の範囲がおさえられます。その結果、あまりひずみが生じる事なく、深い溶け込みが得られます。
深絞り加工と同等の製品を、絞り金型を使わずに実現
「深絞り加工」とは、絞り金型を使用して板状の金属に圧力を加え、絞り込み(圧縮)をかけて容器の形状にする加工法です。一度絞り金型を製作すれば、同じ形状の製品を大量に加工できるため、大量生産品に適しています。しかし、その加工に使用する金型は非常に高価なので、多品種少量生産をする場合には、金型のコストが回収できない場合が多いのです。
多品種少量生産を望むお客様のために、当社では絞り金型を使わない溶接による金属加工をご提案しています。溶接と折り曲げ加工によって深絞り加工品と同等の品質を実現しています。
深絞り加工品から溶接ケースへシフトすることのメリット
新製品を開発するたびに絞り金型をつくっている企業様では、金型費が回収できない場合もあるようです。当社はこれまで絞り金型を使って加工していた製品を、溶接技術と精密プレス加工の組み合わせで製作します。次のような点に心あたりがあり、なおかつ金型費の回収ができていない企業様は、当社にご依頼ください。コストを削減できる可能性があります。
絞り金型を使わないことによる3つのメリット
【メリット1 コスト削減】 | 【メリット2 納期短縮】 | 【メリット3 柔軟な対応】 |
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高価な絞り金型を製作しなくてよいので、コストを削減できます。 | 絞り金型を製作する工程を省けるので、短納期でご対応できます。 | 開口部の縦横比が大きい、深さがある、寸法変更が度々ある、または特殊な製品に関しても対応可能です。 |
※治具の製作は必要なので、そのためのコストや日数はかかります。
当社では深絞り加工品から溶接ケースへの置きかえをご提案いたします。コスト削減、納期短縮、柔軟な対応に優れた溶接ケースを、ぜひご利用ください。